[コラム:安さん] 医療法人になって6年内部留保が1億円になった。良いのか?

今回からm3でコラムを執筆されていた安川聡さんにDSSに記事を掲載していただくこととなりました。今後は「コラム:安さん」としてさまざまなことにについて触れていただきますのでご期待下さい。

Q. 医療法人になって税理士より役員報酬を110万円理事の妻に対して60万円と指導アドバイスされ6年が経過した。内部留保が1億円近くになったがこのままで良いのでしょうか?

A. 理事長の年収は1320万円理事の奥様の年収は720万円、合計2040万円であり実際は、勤務医の年収(民間病院の部長クラス)とほとんど変わらない。
今回のケースでは、好意的に考えて、税理士が如何に税金を少なくするかという1点において指導した結果と言える。しかし、院長先生に取っては個人的な資産は少なく、医療法人に資産が貯まるばかりで、自分の自由になるお金が貯まる訳ではない。

例えば院長先生が無くなった場合、退職金として医療法人の留保金を受け取ったとしてもすでに亡くなった後、お金を自由に使えるわけではありません。少なくとも役員報酬を決定する場合には、たとえ税金が高くなったとしても自分で稼いだ収入を自由に使えるお金を持つために少なくとも一般の勤務医以上の役員報酬は取るべきではないでしょうか。節税と言う言葉に気を取られ自分自身の財産形成もできないまま一生を終わることは?ではないでしょうか、是非このようなケースでは、よく税理士と相談し自分の考え方のもとに資産形成をしていくことが重要であると思われます。このようなことは若い税理士では経験が少ないので提案が出来ない可能性があります。そういう場合にはセカンドオピニオンとして他の税理士を日頃から活用していくことが必要である。

 

【安川 聡 プロフィール】
慶應義塾大学卒業後、サントリー株式会社に入社。その後
米国系保険会社を経て仲間と独立
全国20箇所を超える医師会、医協、その関連団体の医業
経営コンサルタントとして活 動。2006年からm3にて
医業経営・ FP関連のコンシェルジュとしてコラムを執筆。
約5万人の医師が読者登録。
現在はモンプレジール株式会社の代表取締役。

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