わがまま職員の退職後の離職理由の変更希望
クリニックの職員にもいろんなタイプの職員がいる。常識的な職員もいれば、少しでも業務が増えないよう望む職員も意外に多い。
リハビリ主任が定年(再延長中)を向かえたので業務改善委員会で業務の引き継ぎをお願いしたところ、職員全員の前で「私にはできません。無理です。」話をした。雇用側としてはすでに就任の年齢が65歳になっていることからもともとその職員は次の就任候補と言う考えで採用した。当然小さなクリニックなのでリハビリ助手の常勤者は主任合わせて2名で他はパートである。「後ほどもう一度話し合いましょう」と言って会議を終えた。
再度本人を呼んで「どうしてできないですか、前にも打診していたじゃないですか!」「突然じゃないですよ!その時はできないと言わなかったじゃないですか」「常勤職員はあなたしかいないのですよ」と再度問うと「やっぱりできません」という。「業務内容も変わるわけではないし、頑張ってもらわないと次の人と言っても採用して慣れてもらうまで1-2年はかかります。
職員全員の前で業務拒否になるとこちらも簡単にはいそうですかという訳にはいかないですよ。業務の引き継ぎをするか、どうしてもできないというなら退職するかどちらかになりますよ、簡単に仕事も見つかる時代じゃないし頑張ってみたらどうですか?もう一度考えて明日返事を下さい」と話した。
翌日呼んで「頑張る気になりましたか」と聞くと「申し訳ありませんができません。」とのこと。「では退職するのですね」と言うと「いつまで勤務すればよいのですか」というので「1ヵ月は欲しいですよ」と返事すると「わかりました」といって話合いは終わった。
クリニックとしては経営的にも増員するわけにも行かず退職することとなった。本人は「他の職場を探したいので見つかるまで在職させてほしい」というが次の準備と他の職員の手前(本人の業務拒否であるため)そういうわけにもいかず1ヵ月後の退職とした。
その日から本人は昼休み等を利用して積極的な就職活動を開始。結局、退職日までには次の就職先は決定しないようであったが、退職後離職票(退職理由:自己都合)を交付した。
すると離職票交付して4週間を経過したところで職安より電話があり、本人が手紙で「退職理由が違うと言ってきています。退職するように言われたと書いてあります。実際はどうですかとのこと。事情を話した結果、もし、退職理由が退職勧奨であれば変更書類を郵送しますので訂正書類を出してください。そうでなければ経過説明書を出してください。」とのことである。
クリニック側としては業務拒否による自己退職という内容で経過説明書を出した。また職安の方も解雇にしたもらった方が良い的な話があったがそうであれば本人にクリニックにきて説明するように求めた。それ以降職安からも本人からも連絡が来なかった。
要は就職先が見つからないので解雇であれば速く給付金がもらえるとの考えてのこと想像出来る。解雇した場合に新たに職員採用する場合、採用に関する給付金をもらえないケースもあるので安易に本人の希望に合わせることはできない。
一般的には、他の職員全員の前で業務拒否(配置転換でない)をした職員をクリニックに在籍させることは難しい。よくあるケースであるが就業規則の整備が重要である。