新型コロナ:首都圏と地方では外来受診動向と医師の危機感に大きな差がある。
3月後半から4月にかけて新型コロナの感染リスクにより、首都圏や大都市圏中心にクリニックは患者受診抑制を受け大きな影響を与えている。東京では特に外来患者への影響が大きい。感染者は増えるしたがってスタッフの不安感も増大し、その対応に迫られている。内科では発熱した患者の受診対応から始まった。感染者が増える度に診療側は感染リスクを考えての不安と患者側の受診抑制傾向が重なって緊急事態宣言が出される後は、各医療機関で診療抑制も始まった。患者を選別する傾向が強まり、予約、他院紹介、診療日時の変更、休診など一貫性のない対応が続いている。
小児科耳鼻科では母親中心に受診すること自体が感染リスクに繋がるという考えの元にさらなる受診抑制傾向が強まり5割を超える患者減になっている。他の診療科目も緊急宣言以降は受診抑制傾向が続き2~3割減となっている。5月も緊急事態宣言が続くことになって今後の経営不安によって助成金や運転資金等の問い合わせが増加している。終息しても受診抑制がすぐには変わらず、元の患者数に戻るには1年かかるのではないかと考える医師も少なくない。同時に経営を考えたスタッフ体制の検討や昇給、賞与への影響も避けられない。
一方、地方では、東京ほど外来患者の影響は少ない。よって経営に対する不安はどちらかといえば少なく何とかなるだろう的で緊迫感がみられない。このように地域によって受診傾向が異なるので、医師が支援を望んだとしても国の制度の中で運営されている以上、特別扱いしてくれる可能性は低い。しかし、感染が広まれば確実に収入減となることを予測して資金繰りやスタッフの感染リスクを考えた体制作りを検討しておく必要がある。よって雇用調整助成金や持続化給付金等利用できる制度や福祉医療機構等の金融機関からの貸付についても十分に検討し準備だけはしておきたい。クリニック同士の経営情報交換のない開業医は、変化に弱い。又、途中からの資金調達は不得手であることが多い。よって早めに税理士や社労士、コンサルタント等と相談してもらいたい。