退職金を利用した【法定福利費削減】の工夫について
退職金を利用した法定福利費削減の工夫について
先日某クリニックで職員の退職金に関する相談があった。開業して6年目になるが開業当初から勤めている職員がもし退職した場合どの程度の退職金を支払わなければならないか、また、常勤、パートどちらにも支払わなければならないかということであった。
一般的に退職金は支払わなければならないという労働基準法はない。要は医療機関側(雇用する側)の自由裁量である。よって全く支払わなくても問題にはならない。しかし、雇用する際に明確にしておくほうが退職時に問題が起こるケースは少ない。雇用時に雇用契約書に記載していない場合、「退職金はないのですか」とか聞かれるケースでは、退職金制度がないから記載しなかったともいうこともできる。
退職金を支給している場合の額に適当な額というものも基本的には雇用する側の自由となっているので、少なくても問題にはならない。しかし、以前は支払っていながら、この職員は迷惑をかけたとか気に入らないからと支払わなかったり、減額することは基本的にはできないのでその点は注意しなければならない。一般的には3年経過時点で基本給の1カ月分というところが多い。
某セミナーで税理士さんがたとえば法定福利費を減額したいと考えるような場合に賞与がない代わりに退職金を支払うということも可能であるという話をしていた。これは賞与としてかかる法定福利費を少なくする(なくす)ことと共に、退職金にかかる源泉所得税も賞与として支払うよりは少なくので職員にとっても有利になるのでこの方法をとっているケースもあるという話を聞いたが、ここまでしてまでという感じもある。しかし、これから法定福利費は年々増えていく(厚生年金が上がる)ので一つのヒントとして覚えておくのも良いのではないだろうか。